12 アルケミスト 夢を旅した少年/パウロ・コエーリョ

アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

お口直しに、一番好きな小説を読んでみる。

確か二回ほどこの日記の中でも取り上げた気がするが気にしない。

といっても手元になかったので、わざわざブックオフで買ってきました。

読むのも実はこれが2回目だったりしますからね(前取り上げた時は記憶のみで書いてたり


さて、この小説、どうやら「自己啓発本」に分類されることもあるみたいですね。

世界の自己啓発50の名著

世界の自己啓発50の名著

こんな50の名著に含まれるぐらいらしいです。



それくらいタメになる小説、自分もそう思います。

「運命」「夢」「愛」「本当の幸福」これらのことについて、たった200ページ足らずの小説なのに改めて考えさせられます。

来たよ、運命、おそらく愛の次に壮大なテーマだぜ

こんなセリフをどこかで読みましたが、多分正しいでしょう。それらを全部まるっと ねぇ。


特にこの小説は「運命」が軸です。

そしてタイトルのとおり、アルケミスト、つまり錬金術師が鍵。

あらすじを述べるならば、

スペインの羊飼いの少年、サンチャゴは、夢で見たエジプトのピラミッドの宝を探して旅に出る。その過程で様々な人から様々な影響をうけて、その結果、宝を・・・・

となって、ありきたりな小説になってしまいます。

でも、違うんです。この小説のすばらしいところはそんなところに無いんです。

その節々に出てくる概念、理念、考え方それらがすばらしいんです。

小説を読んでいながら、自己啓発が行えるです。


というか、小説ってそもそもそういうもんじゃないんですか?

その小説の登場人物のセリフ、考え方、生き様などなどから影響をうけるべきものだと思うんです。

視野を広げたかったら小説を読むべき。


自分の好きな西尾維新の小説、「人間シリーズ」の1巻にも、その巻の主人公が以下のようなやりとりがあります。

「どうして?こんなのただのお洒落じゃん」
「もしもきみがツルーゲネフを読んだことがあるのなら、そんな質問はしないだろうし、宇野浩二の愛読者であるのならば『普通』ということについて考えてみたことはあるはずなんだろうけどね」見た目にそぐわずどうやら相当回りくどい性格らしく、針金細工は全く関係のなさそうなところから少年に対して返答する

未熟な自分は残念ながらどっちも読んだことないんですが(

でも、この考えはただしいと思う。

小説を読めば、深く考えることができるんです。


というわけで「運命」というものについて、深く考えるためにこの小説をお勧めします。

そこんじょそこらの評論や自己啓発本なんかよりずっとためになります。それに読んでて楽しいですしね。

評論が、意見を頭に叩き込んでくるのにたいし、小説は追体験により実感で学べますからね。

お勧めです。