26 狼と香辛料(10)/支倉凍砂

狼と香辛料〈10〉 (電撃文庫)

狼と香辛料〈10〉 (電撃文庫)

たまにまざるラノベ

しかも、シリーズモノ。

こりゃ統一感なさすぎだよな・・・・


さて、まぁこの「狼と香辛料シリーズ」


「ある日突然出会った男女の物語」


という、ラノベの王道をいってはいるんですが

異色。きわめて異色。


それは、ストーリーの本筋が「経済」というせい。

貨幣や為替、密貿易、鉱物の価値の変動などなど、

毎回経済に関するテーマで話が構成されているめずらしいラノベ

ラノベでありながら、経済入門書というのは言いすぎですかねぇ。


話はかわりますが、自分のやっている考古学は、関連項目が非常にマルチ。

その中で、時代が新しくなると、貨幣との兼ね合いはかかせない。

中国のお金は日本に大きな影響あたえてますからねぇ・・・

偽造されたお金が、国が作ったお金以上の価値をもつとか、普通じゃ理解できない。

その理解しずらい部分をすんなり理解させてくれたのが、この「狼と香辛料」でした。


時代は、科学がほとんど発展してない中世ヨーロッパのような時代。

剣が支配するなかで、宗教を作り上げ布教していく、そんな時代です。

その中での、商人の主人公と、豊作の神にして賢狼、齢200歳の少女の話。


最近はあまりおもしろくなかったんですが

10巻は原点にもどったような形で楽しめました。

そして、第二巻からの伏線?にようやくせまる形となったので期待できます。

巻がすすむごとに与える影響がどんどん大きくなってますが

はたしてその影響力は、「クニ」や、ましてや「セカイ」まで行くんですかねぇ。。。

これからが楽しみです。