8 “文学少女”と慟哭の巡礼者
- 作者: 野村美月,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/08/30
- メディア: 文庫
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文学少女第五弾
テーマは『銀河鉄道の夜』
今回の話は、今までと違い、主人公が主軸
今までの主人公は『シャーロック・ホームズ』の ワトソン的立場だったのに
そうして、もう一人の主人公“文学少女”、ホームズと一緒に物語をつむいでたのに
・・・・・・・・今回はワトソンが話の主軸。
いや、やっとと言うべきか・・・
この話への伏線は、1巻から4巻までで大量に膨らませてきてましたからねぇ・・
それを見事にこの巻で回収、まるで最終回でもかまわないようなきれいな終り方。
しかし、ちゃんとラストシーンで、このシリーズの本当の軸が何なのかを思い出させてくれる。
そうして、次を楽しみにさせてくれる、あらたな伏線を一文で広げやがった・・・
まるで、今までの伏線は序章にすぎなかったかのうように・・・・すげぇ。
内容は、一般に出てる『銀河鉄道の夜』
そして、一般に出てない、主人公「井上心葉」が中学時代に書いたミリオンセラーが話の軸。
そういうわけで、片一方はみんな知ってる、片一方は知らない、そんな状態なんですが
読んでても、多分どちらとも読んで無くてもすうっとはいってくる丁寧な描写。
それにしても、宮沢賢治について全然知りませんでした
中学であんなこと教わったかな・・・調べが足りなかったんだろうなぁ・・・
『グスコーブドリの伝記』を読んだ時、それにともない、農業の学校を出ていることや、偉人的行為?は知ったけど
いやぁ・・・・全然知りませんでした。
あと、いかに物語を表面的にしか読んでないことを“文学少女”に指摘されました。
「本当にカムパネルラはなにもわかってなかったと思う?それならもう一度『銀河鉄道の夜』を読み返してみて。今度はカムパネルラの気持ちも考えながら
ミステリーとしては今までの伏線が分かりやすかったぶん、ある程度予想通りでした。
ですけど、そんなのどうでも良くなる展開。『銀河鉄道の夜』とシンクロして、物語が出来上がる。
みんなあらすじだけなら知ってるこの話・・・・“文学少女”の言うとおりもう一度読んでみますかね・・・・