8 “文学少女”と慟哭の巡礼者

“文学少女”と慟哭の巡礼者 (ファミ通文庫)

“文学少女”と慟哭の巡礼者 (ファミ通文庫)

文学少女第五弾

テーマは『銀河鉄道の夜


今回の話は、今までと違い、主人公が主軸

今までの主人公は『シャーロック・ホームズ』の ワトソン的立場だったのに

そうして、もう一人の主人公“文学少女”、ホームズと一緒に物語をつむいでたのに

・・・・・・・・今回はワトソンが話の主軸。

いや、やっとと言うべきか・・・


この話への伏線は、1巻から4巻までで大量に膨らませてきてましたからねぇ・・

それを見事にこの巻で回収、まるで最終回でもかまわないようなきれいな終り方。


しかし、ちゃんとラストシーンで、このシリーズの本当の軸が何なのかを思い出させてくれる。

そうして、次を楽しみにさせてくれる、あらたな伏線を一文で広げやがった・・・

まるで、今までの伏線は序章にすぎなかったかのうように・・・・すげぇ。


内容は、一般に出てる『銀河鉄道の夜

そして、一般に出てない、主人公「井上心葉」が中学時代に書いたミリオンセラーが話の軸。

そういうわけで、片一方はみんな知ってる、片一方は知らない、そんな状態なんですが

読んでても、多分どちらとも読んで無くてもすうっとはいってくる丁寧な描写。


それにしても、宮沢賢治について全然知りませんでした

中学であんなこと教わったかな・・・調べが足りなかったんだろうなぁ・・・

グスコーブドリの伝記』を読んだ時、それにともない、農業の学校を出ていることや、偉人的行為?は知ったけど

いやぁ・・・・全然知りませんでした。


あと、いかに物語を表面的にしか読んでないことを“文学少女”に指摘されました。

「本当にカムパネルラはなにもわかってなかったと思う?それならもう一度『銀河鉄道の夜』を読み返してみて。今度はカムパネルラの気持ちも考えながら


ミステリーとしては今までの伏線が分かりやすかったぶん、ある程度予想通りでした。

ですけど、そんなのどうでも良くなる展開。『銀河鉄道の夜』とシンクロして、物語が出来上がる。

みんなあらすじだけなら知ってるこの話・・・・“文学少女”の言うとおりもう一度読んでみますかね・・・・